バス乗車記
窯元巡りで美濃焼三昧


[はじめに][美濃焼ギャラリー][一風変わった昼食]

はじめに

7月半ばに岩村へ出掛けて以来、9月に名鉄の谷汲線や八百津線へ乗りに行っていたけれど、東濃の地域へはしばらく足が向かなかった。というわけで、今回は11月3日と4日に開催される美濃焼関連のイベントに出掛けることにした。

例年「美濃焼三昧」と題して、多治見市の市之倉、笠原町、土岐市の下石と駄知の4カ所で、美濃焼の即売会や窯元探訪を中心に毎年開催されている。私は昨年に下石を訪ね、駄知線跡のサイクリングロードに並ぶブースで、コーヒーカップなど幾つもの陶器を購入、下石バス停で発着するシャトルバスを観察したり撮影したりしていた。

下石は今回も是非訪ねたいけれど、前々から気になる市之倉も訪ねることにした。以前、市之倉には私の名字と同じ字である「玉山窯」があることをガイドブックで知ったため、そこを含めた窯元巡りをしてみたいと思う。

ここまでして良いのか!?無料シャトルバス

家を早めに出て、多治見駅に着いたのは8時13分。あまり時間がないので、急ぎ足でバスターミナルに向かうと、多治見駅改札口に近い東鉄バス・JR東海バスの降車場に、市之倉・笠原会場へ向かう無料シャトルバス乗り場が設けられていた。イベントの実行委員さんも数人いて、シャトルバスの案内をしていた。そして、乗り場にはシャトルバスが停っていて、私がそれに乗ろうとしたら、実行委員さんに、このバスは笠原会場行きだ、と言われた。そうこうしているうちに、市之倉会場行きのシャトルバスがやって来て、後ろに停車した。

市之倉・笠原行き乗り場笠原行きシャトルバス
市之倉や笠原へ直行する
シャトルバスの乗り場
笠原会場行シャトルバスが
先に到着

市之倉会場行きシャトルバスに乗ろうとしたら、バスの降車口におじさんが立っていて、「笠原の方にも是非お立ち寄りください」と言いながらビラをくれた。私は笠原にも立ち寄りたいと思ったけれど、1日で3カ所を巡るのは少々こたえるし、1カ所毎に回る事ができる時間も少なくなってしまうから、私は市之倉の会場へバスで直行することにした。

 今回のシャトルバスは、多治見駅−市之倉・笠原、土岐市駅−下石・駄知のように駅から会場へ直行する便だけでなく、市之倉−笠原−下石−駄知と横へ動くものや、各会場からそれぞれの大駐車場へのマイクロバス、下石バス停から下石の窯元へゆく「窯元めぐりバス」まで、きめ細かなネットワークが形成されている。しかも、すべて無料で乗車できるという所に驚かされる。これを通常の路線バスで巡ろうものなら、お客さんの側からすればかなりの労力と費用が費やされるし、それなら面倒なのはいやだと、皆車で行くことになると、各会場周辺の道路では大渋滞が引き起こされ、パニックになりかねないと思う。

 さて、市之倉行きシャトルバス第一便は、笠原行きと同じく定刻8時30分に発車、その笠原行きバスの後ろに付いてしばらく走る。さらに、これらの前には路線バスの下半田川行きが走っているため、JR東海バスの車両が3台連続で走っていて壮観である。珍しくも面白い光景を見ていると、笠原への県道が分岐する交差点で笠原行きが分かれ、前方は下半田川行きのバスだけになった。その下半田川行きバスも途中の停留所で停車したため、シャトルバスは路線バスを追い越して行く。
 しばらく何にもない風景が車窓に映るが、ほどなくして前方に市之倉の家並みが見えてきた。その街並みに入ると、「陶の里フェスティバルin市之倉2001」と書かれた横断幕やのぼりが至る所に目に付く。また、何々窯とか何々窯業とある建物も多く見られる。
そして、JR東海バスの市之倉バス停を過ぎてすぐの所で、シャトルバスは突然素寒貧な空き地に入り、何事も無いかのように停車した。私はどこに会場があるのかなと辺りを見回してみたものの、それらしき物は見当たらない。唯一の道しるべは会場への案内看板だけである。それで、バスを誘導していた警備員の方に聞いて見ると、市之倉バス停の交差点から少し離れたところにあるとの事。私は、言われた通りに道を歩いて行った。

市之倉行シャトルバス行先表示シャトルバス−市之倉にて
市之倉への行先表示 市之倉のシャトルバス
発着所に到着

窯元初訪問in市之倉2001

市之倉のメインロード(国道248号線)から窯元へ続く道をてくてく歩いていくと、古風な雰囲気の窯元さんの建物が随所にあって面白い。しばらくして公民館に着くと、「昔なつかし市之倉」展が開催されているので、一見してみる。内容は、昔の市之倉の写真や生活用品が陳列されている簡単なものだったけれど、若輩な私には、数十年前の航空写真やなじみの薄い数十年前の生活用品が新鮮に感じられた。眺めていると、物品一つ一つに暖かい雰囲気があった。

公民館近くのオブジェ公民館のお洒落トイレ
可愛らしい美濃焼オブジェ 公民館のトイレも美濃焼風

公民館を出てすぐの所にメイン会場を案内する看板があり、それを頼りにさらに歩いていく。そして、グラウンドに設けられたメイン会場に着いた。
昨日の雨のために、少しぬかるんだ会場のグラウンドを歩くと、その中央に設けられた美濃焼即売ブースがあった。とりあえず一回りしてみると、どのブースも趣向を凝らした焼き物があって目移りしてしまう。そして、値段は激安というほどでは無いにしても、同程度の品と比較すると半値以下の物もあった。
ちなみに、私は日頃からコーヒーをよく飲み、事ある毎に適当な喫茶店に立ち寄ったりしているので、それなりにこだわりも持っているのだが、コーヒーの器の場合は口が広くない方が良いと思う。口が広いと、せっかくのコーヒー特有のコクと香りが拡散してしまう。これとは対照的に、香りを楽しむ紅茶やハーブティーなどは口が広い器が好まれる。
そして、コーヒーに適した器を探していると、ちょうど良いのが見つかり、早速購入した。他のブースでもビール用コップを買った。この、陶器のコップでビールをつぐと、泡の味がまろやかになる効果があり、私も好きである。

民宝窯さんのろくろ陶器を焼く窯
陶器を形成するろくろ 炭火で焚く焼き物の窯

そして、今度は窯元を見学しに行く。普段は窯元の方に事前に連絡しておかないと見学できないけれど、陶器祭り開催時とあって特別に多くの窯元が自由公開とされている。まずは、「民宝窯」さんを訪ねる。細い県道を進むと案内看板があり、そこからさらに細い路地を行くとそれらしき建物があった。それで、建物の角にいた人に聞くと、窯はさらに石段を上った所にあるとの事。教えられたとおりに登る石段の横にはトロッコの線路があるけれど、これは上で焼いた焼き物を下へ運ぶ物らしい。その石段のてっぺんに窯元があり、中では簡単な美濃焼ギャラリーが設けられていた。建物の中では薪を焚くいろりがあり、窯元の人にそこへ案内されて色んな話を聞くことが出来た。

窯の中年期が入ってるトロッコ
煤の匂い漂う窯の中 美濃焼を運ぶ
年代物のトロッコ

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